定点観測2010

また、この日が巡ってきた。もうあまり書くことはない。逆に言うと、何も変わっていないし、何も解決していない。何も進歩していない。
この日のことは、自分としては、相変らず、触れられたくない話題だ。日付が変わるころからラジオが特集番組を始めたのでスイッチを切ってしまった。今日はラジオを聴く暇が無いので幸いだ。いまだにあの日の話題を聞くとウルッと来る、「お前らどうせ判らないくせに」とか思ってしまう。
忘れないこと、語り継ぐことももちろん大切なのだけれど、忘れさせてもらえること、昔話にさせてもらえることも必要なのだと思う。いつまでも重荷を背負わせないであげてよと思う。

助けを求める人を助けることがどれだけ難しいか。そのために人が動くことがどれだけ難しいか、人の愚かさと自分の無力さを思わされる。
特に今年は、直前に大きな地震が起こった。何故自分がテレビの前でニュースを見ているのか。あの日、屋上から眺めた煙の下に埋もれていた人がいたことに後から気付いてがく然としたこと、「せめて次の機会には駆けつけよう」と言い訳のように言っていたにも関わらず、相変らず自分はここに座っている。もちろん、飛行機で駆けつけることさえ出来ない状況なのだから、わたしがここでどんなにジタバタしたって始まらないのは判っているのだけれど、でも悲しい。

せめて祈ろう。