[スポーツ」企業メセナ

高松の地元有力企業の一つ「穴吹工務店」が会社更生法の適用を申請した。ちょっと面倒な話だけれど、穴吹と名が付くよく似た企業が香川県内に二社ある。「穴吹工務店」と「穴吹興産」前者はサーパスマンション、後者はアルファマンションをそれぞれ建てていて、高松市のちょっと高いところから町を見渡すと両者のよく似た茶色いマンションのビルがニョキニョキとそこかしこに立っていたりする。だいたい、高松市圏の人口なんて横這いか下降線なんだから、そんなに町の中に新しいマンションを建てても人が横に動くだけで遠からず上手く行かないに決まっていると思っていたのだけれど、案の定工務店が音を上げることになった。
それはそれとして影響が大きいし渦中の人たちは大変だろうと思うのだけれど、影響の一つとして、地域スポーツの地盤沈下が起こりそうな気がする。このブログの一番最初の頃に、四国独立リーグの話題をチョコチョコと書いたことがある。その中で、高松に急に球技のプロチームが乱立したことを書いた。そのほとんどが実は穴吹工務店のバックアップによっている。バスケットbjリーグ高松ファイブアローズ、アイスホッケーのサーパス香川、サッカー社会人リーグのカマタマーレ讃岐、そして四国・九州アイランドリーグ。更に言えば、香川県の県営球場の命名権もここが持っていて、球場名は「サーパススタジアム」だし、昨年まではオリックスの二軍がサーパスだった。
ある意味地域スポーツの信仰に非常に理解がある企業だったわけだ。逆に言えばそれは放漫経営と言えるかもしれないけれど、町の中が茶色いマンションばかりになってきても、ガイナーズやファイブアローズの勝ち試合の結果が地方ニュースの最後にちょっと流れる時にちょっと喜んだり、時々はFM高松にチューニングを合わせて、時間潰しのBGMを聴いたりすることが潤いになっていたのではないかと思う。
加ト吉もワンマン体制が崩れた今、高松の文化振興は結構厳しいかもしれない。