チューリップと硫化水素

硫化水素を発生させて自殺する人が絶えない。以前も練炭自殺が流行ったことがあったけれども、なぜにこんなにオリジナリティーがないのだろう。もう少しみんな工夫したらいいのに。


それはそれとして、硫化水素は止めた方が良い。何よりも、死ぬ時くらいできるだけ周りに迷惑をかけないように気を使え。どうせ家族を始め関係者たちに迷惑をかけるのだけれども、巻き添えにして殺してしまったり、中毒症にしたりしないようにするのは最低限のマナーだ。まだ練炭自殺の方がましだ。


更に又別の話。昨日だか一昨日だかに、NHKラジオでこのニュースを扱っていた。なぜこの手の自殺が流行っているのかという質問に、専門家だと思うけど、まず第一にインターネットの情報を挙げていた。もちろんインターネットの普及で、自殺の手段を含めてあらゆる情報が気軽に入手できるようになったことは否めない。しかし、それよりも問題なのは、その専門家が挙げていた第二の要因、つまり、報道のあり方だろうと思う。2ちゃんねるを始めとしたこの手の自殺方法の紹介は何もここ数か月に限ったことではない。自殺した人がその方法を知ったのはおそらくインターネット以前に報道によるだろう。その専門家は、自殺報道の禁止事項として「手段の紹介」と「自殺の美化」を挙げ、すべきこととして「生きる為・問題解決のための手段の紹介」を挙げていた。前者で言えば、さすがに使用した商品の名前を挙げてはいないけれど、「家庭用洗剤」「硫化水素」って言えば、後は「ググレカス」ってな話だ。後者について言えば、私がちょっと見ている範囲で、このニュースに関連してたとえば「いのちの電話」に一言でも触れるかテロップを流すかしているのを見たことが無い。


同じレベルで語ってはいけないかもしれないけれど、同じことは昨今はやりのチューリップの花を切り取る(?)事件の多発にも当てはまるだろう。何だか今年に限って、急に人々の心が荒んでチューリップに八つ当たりしているような雰囲気だけれど、本当にそうなのだろうか。
まず、去年や一昨年は、この手の事件は皆無だったのだろうか?もしかすると全国的に報道されていないだけで、各地で結構起こっていたのではないだろうか?
第二に、この事件を報道することで誘発された事件がけっこうあるのではないだろうか?もし、これほど報道で取り上げなければ、例年と同じ程度しか事件が発生しなかったのではないだろうか。
丹精込めたチューリップが台無しにされた人は気の毒だけど、それほど毎日報道するニュースだとは思わない。