ニセ牧師に御注意

こんな記事を読みました。
これに関しては、個人的にも、また多くの同業者に聞いても、苦々しく思っている人が多いです。ただし、おそらく止めさせる手段は何もないのではないかと思います。
例えば、初詣でに行くのが寒いし面倒なので、庭の犬小屋の前に鳥居と賽銭箱を置いて、手を合わせている人がいたとしても、近所の神社がそれを止めさせる手段はありません。誰が何を信仰しても(信仰しなくても)自由なのがこの国ですから。


また、巷の「チャペル式」結婚式場で結婚式を挙げている人たちが、本当の教会に来られても困ります。通常の教会は、設備的にも人的にも彼らの要求に応えることができません。土曜日や、ましてや日曜日に結婚式をしたいといわれても無理です。
いわゆる結婚式っぽい結婚式を希望するのであれば、結婚式の専門家にお願いするほうがヨイです。キリスト教式で結婚式をしたいのであれば、教会でするか、少なくともちゃんとした牧師に司式をお願いすべきです。


もちろん、牧師の中には、式場での結婚式に出張して式を行う契約をしている牧師も居ます。一つは、上記のページにあるような「ニセ牧師」による司式を少しでも減らすため。一つは、せめてそんな機会であってもキリスト教と接点を持った人に、ちゃんとキリスト教を伝えるため。そして、場合によっては、その牧師が食い扶持を得るため(牧師だって稼がなければ生きていけない場合があるのです)。しかし、私は、それについても消極的です。
私は一度、なんとなく立ち寄った、喫茶店併設の結婚式場で模擬結婚式をしているのに出くわした事がありますが、(おそらく)一人もキリスト教徒でない連中を前に、主の祝福を祈っている様子は嫌悪感しか感じませんでした。
ふさわしくない者に対して与えた祝福は我が身に返るものとされるのですが、神の「か」の字も知らない人に対して、主の聖名によって祝福を与えるなんて。。。この嫌悪感はおそらくキリスト教徒でなければ判らないだろうと思いますが。


私は、もし聞かれたら、「あれは偽物だから、本物の教会で結婚式をしたらいかが?」と答えます。ただし、「出来ることと出来ないことはあるけどね」と付け加えるのを忘れませんが。


心が全くこもっていなくても形だけの挨拶や形だけのお祝いでもいいという人は、形を整えるためにもむしろチャペルを利用されたらよいと思います。
もし、少なくとも自分の人生の節目に「嘘」が混入するのが嫌なのであれば、質素でも本当の教会を訪ねてみるか、少なくとも、その牧師がどこの教会に属する人であるか、きちんと「按手」を受けているか尋ねるべきでしょう。