フィリピンの日本兵

フィリピンの山の中で日本兵だったお爺さんが二人生き残っているとかで、外務省の人が現地に飛んでいったり、本人に会えなかったり、とバタバタしている。小野田さん横井さんのことを挙げる人も居るけれども、彼らと今回は随分事情が違う。小野田さん横井さんは、戦争が継続していると思って、ジャングルに潜伏していたが、彼らの場合はおそらく違うだろう。いくら何でも80才を過ぎて戦争状態を継続しているとは思いがたい。と言うことは、既に彼らは戦争が終わっていることをしっている。知った上で、少なくともその時点では現地にとどまる決断をした、ないしは、帰る決断をしなかったということになる。乱暴な推論だが、たぶんその時点かそれ以後かで家族を持ったのではないだろうか。
要は、そこで奥さんがいて、子どもや孫がいて、生活をしているのだ。そこに、日本から人が来て、「帰りたいですか?」と聞く。「そりゃ帰りたいよ」と答えるのは当然だろう。でもってこの騒ぎだ。
出てくるのが怖くなるのは当然だろーね。
帰ってくるなとは言わない。故郷に戻ることが出来れば、それはそれで一つの幸せの形だろうと思うけれど、人は自分の決断であれ、他人の力であれ、故郷を捨てる時がある。客死するのも人生だと思う。